巨神と機神――
泡が弾けるかのごとく、突如として
世界に出現した二柱の神は、
己が存在のすべてを賭けて戦った。
ふたつの神が打ち鳴らす大剣の響きは、
海原を揺らし、大気を振るわせた。
両者は残された力を大剣の一閃に託し、
相打ち合い
――やがて骸となった。

神々の戦いから幾万の昼と夜を経て、
巨神の骸の上で、やがて生命が栄えた。
――巨神から生まれた者は巨神へと還る――
広大な体躯を大地として草木が生い茂り、
その自然の中で、
人々は巨神から恵みに感謝をささげながら、
長い年月をかけて文明を発展させた。